「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か
Youtuverを出しています★
情報発信の真偽の側面をこういう本から
読み取れればと思い手に取りました
5章+1の構成
情報災害、2024年に起きた兵庫県知事の罷免、再選のドタバタは
そうとうな情報災害の波が押し寄せています
いまだ正解の結論はありませんが
怪文書やネット情報が錯綜しているのは事実です
さて本書の構成は以下の感じです
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はじめに
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第1章 「情報災害」とは何か
メディアが「引き金」を引いた
デマや流言、風評は何故発生するのか
「神が去った」時代を迎えた社会
「情報過多」は「情報不足」と同じ
「寝た子は起こすな論」
活動家がデマや差別を再生産する
「嘘も百回い言えば真実となる」 ほか -
第2章 複合的「情報災害」と福島
コロナ禍における「情報災害」とデマ
隠蔽、陰謀……テレビ報道による扇動
福島のトリチウムだけが害悪視
活動家の「反対」は何のため、誰のためか
福島と水俣の共通点としての「情報災害」
韓国の外交カードとしての風評扇動
陰に埋もれた「避難するリスク」
「ゼロリスク志向」が生み出す別のリスク -
第3章 印象操作という「引き金」
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第4章 「情報災害」を記録するということ
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第5章 「情報災害」と、その後
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終章 教訓は生かされるのか
原発事故、トリチウム処理水、新型コロナ、HPVワクチンなどを題材に、
危機そのものよりも「不安と怒りを煽る情報」がもたらす“情報災害”と、
それを拡散する「風評加害者」こういうところにメスを入れています
うーん 味わい深い
AI教えて
最近の検索は情報も早いので聞いてみます
『「正しさ」の商人』が描く「情報災害」と風評加害の実態
近年、SNSやメディアを通じて広まるフェイクニュースやデマが、社会に深刻な影響を与えています。林智裕氏の著書『「正しさ」の商人 情報災害を広める風評加害者は誰か』は、福島県での原発事故後に起きた風評被害の実態を通じて、「情報災害」という新たな脅威を追求しています。
『「正しさ」の商人』とは何を描いているのか?
林智裕氏は、東日本大震災後の福島で実際に体験した被災と風評の現実をもとに、社会に広がる不安や怒りを煽る「まがいものの正しさ」を振りまく人々の存在を指摘しています。原発事故、トリチウム処理水問題、新型コロナ、HPVワクチンなどのケースを例に挙げ、「情報災害」とそれを拡散させる「風評加害者」の正体を明らかにしています。
同書では特に、科学的根拠に基づく安全性が確認されてもなお続く誤情報や偏見が、人々の生活や地域経済に甚大な影響を及ぼしていることを指摘しています。また、メディアや一部の活動家が扇動し、結果として真実よりも恐怖を社会に定着させてしまう構図を問題視しています。
福島の事例:「情報災害」が社会を分断する
福島の原発事故後、「トリチウム処理水」の海洋放出問題などが典型的な事例となっています。科学的には安全性が確認されているにも関わらず、メディアやSNSで拡散されたデマや扇動的な情報が、風評被害を生み出しました。
林氏は、「福島と水俣の共通点」として、実害を超えて不安が社会を支配する情報災害の恐ろしさを指摘しています。さらに「ゼロリスク志向」の強まりが逆に新たなリスクを生むことにも言及しています。
兵庫県知事選挙2024:フェイクニュースの影響
また2024年11月の兵庫県知事選挙では、SNS上で意図的に拡散された怪文書や真偽不明の情報が、選挙の公正性を大きく揺るがしました。非公開の百条委員会の音声データ流出や、関係者への誹謗中傷が激化し、結果として社会的な混乱と悲劇的な事件も起きました。
このケースでも、「メディアが真実を隠している」との批判がSNSで高まり、新聞やテレビなどの既存メディアへの不信感が広まりました。ファクトチェックが十分に機能しなかったことや、メディアが誤情報を報じない理由を明確に説明できなかったことが、混乱に拍車をかけたと専門家は指摘しています。
情報災害を防ぐために必要なこと
著者の林智裕氏やジャーナリストの池上彰氏、江川紹子氏らは、情報災害を防ぐためにはファクトチェックの徹底、メディアリテラシー教育の強化が欠かせないと主張しています。
『「正しさ」の商人』は、デマや誤情報が社会を蝕む実態を明確に示し、私たち一人ひとりが情報との向き合い方を見直すきっかけを与えてくれる一冊です。