ヒューマン・エラー学の視点
失敗学とかたくさんあるのですね★
この本で述べられているのは
- ヒューマンエラーの性質
- ヒューマンエラー学入門
- 事故トラブル事例とその背後要因
- ヒューマンエラー学の限界
- ヒューマンエラー学の今後の方向性
- 大飯原発の再稼働問題に寄せて
こんな感じです
特に事故トラブル事例とその背後要因
に関しては実例なので興味深いです
トラブル例 広島刑務所脱獄事件
いくつか興味深い例がありますが
手短なもので
2012年1月に発生した事件があります★
- 脱獄犯の過去の逃走歴の認識
- 工事で塀が乗り越えやすくなっていた
- 受刑者の運動時間の管理不足
- 98台の監視カメラを一人で監視
仕組みの脆弱さを挙げています
また対策も「刑務官の増員」という
安直さを危惧しています
ヒューマンエラー学の限界と今後の方向性
筆者が警鐘を鳴らすのは
今までは対処療法的によりすぎて
根幹たる原因に至っていない場合が多いと指摘しています
またその原因も説明されています
- 議論なし、批判しない、思想なし
- 社会的使命観の欠如
- 責任のあいまいさ
- 知識、技量不足
- 連携、チームワーク不足
つまりマネジメントの変革が
次の事故防止につながると述べています
当然、土壌として以下のことを改善前提です
- マネジメント由来による違反・隠ぺい行動
- 木を見て森見ず森見て木を見ずの組織
で、3Mを意識といいます
MEDIA(媒体・環境)
MAN (人)
MACHINE(機械ハード・ソフト)
当然3Mを活かすために
- エラー知覚
- エラーの性質・タイプ把握
- 記憶照合しながら原因追及
- 対策の思考、判断、分析
- エラーと対比した原因対策をペアにして記憶
このように分析しマネジメントで以下の点を
振り返る必要があると言います
- 議論、批判、思想で考慮されているか
- 社旗的使命の認識
- 責任の所在
- 知識・技量向上の工夫、努力、雰囲気づくりはOKか
- 連携・チームワークの強化
- 学ぶ環境に至っているか
- 違反・隠ぺいの潜在的可能性
- 個々の部門と組織全体のバランスをトップが認識しているか
予防策というのは深い考察の上で実施しないと
原因の完治ができないということです